ソリッドの頁 ユンカース Ju87B“スツッカー”の作り方(2)

出典:SOLID MODEL NET
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操縦席

 古い雑誌より、大体の配置を示しました。乗員は2名で、後席は通信と機銃手を兼ねて、回転椅子が装備されてます。
 これも紙面の都合で順序が先になりましたが、機体の着色終了後、第7・8図を参考に工作して下さい。椅子などは木や既で作るよりも、ブリキ板で作った方が、スッキリと仕上り美しいものです。操縦席の計器板の他に後席にも後部へ向って通信器パネルがあります。
 然し実際には1/50ですと、せいぜい計器板の幅も 12ミリ前後となり、微細な工作は不必要ではないかと思います。私は座席内部全体を機体の色と同色にし、草色の明かるく塗った紙に白ラッカーを細筆で丸く書入れて計器とし、その縁を白インクを用いてリベットを打ちました。尚、操縦席の左・右にあるレバー類の箱などは、消ゴムを小さく切り、黒ラッカーを塗り、数個接着剤にて接着しました。これで機体,プロペラ及び座席の工作を終りました。

 今月は引続き塗装を行い完成させましよう。
 今の処、一応主脚も取付けましたので、恰好はついておりますが、全体として見ますと、主翼にドイツ機特有の隙間翼たるフラップ及補助翼が取付けてありませんので、丁度鳥の羽根をむしり取った様な工合で精悍味はありませんがここで下塗を行いましよう。

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サフエーサーの塗装

 サフェーサーとは、着色塗装をする前に木地自体に直接塗る塗料の名ですが、ラッカーとは全々異った種類の塗料です。尤もラッカー・パテーをシンナーで溶かして用いる方も有りますが、これは後で機体表面に細かいひび割の原因などになり、あまり感心致しません。
 サフエーサーは塗料店で1kg入罐が300円前後ですが、使用め折は別の小瓶などに分け、その儘では非常に浪いので、ラッカー.シンナーで倍位いに薄めて使用致します。
 尚使用の都合底から充分混ぜませんと、底の方には土のようにポロポロしたものだけが残り、これを知らずにシンナーで溶かし使用致しますと、確実に機が仕上ってから、細かなひび割がしますので注意が必要です。
 又、罐の底になりますと、シソナーが蒸発してサフェーサーがドロドロに濃くなりますが、このような折1にはシソナーを加える折に粘着力を加味する目的で、クリヤー・ラッカー(透明ラッカー)を少々加えますと、ひび割するような事はありません。
 さて、太い目の筆でサフェーサーを塗りますが、少々始めは濃い目のを2~3回塗りましよう。乾いた後320番位の水ペーパーで一応軽く研ぎ、表面をととのえます。
 そして、光に機体表面をすかせて見ますと、凹凸の部分がバッキリ判ると思います。その部分にはラッカー・パテーを指先で埋込んで乾燥させ、水ペーパーで研ぎ、凹凸部分が完全に無くなる迄これをくり返します。
 このサフエーサー塗装に就いて二、三注意しなければならぬ点は、サフェーサーの性質上、小さな凹部などは2、3回塗っただけでパテを使用せずとも簡単に埋めてくれますが、反面主翼の付根は本輝に於てフィレットは有りませんが、この部分にはサフェーサーが重り、小さなフィレットを付しような工合になります。この場合は必ずヤスリを用いてて整形する事です(水平尾翼付根なども……)。
 次に、モックアップに於て、非常にこ美しく工作されても、サフェサーを厚く重ねて塗装した為に、鈍重で精悍味を失ったものになる恐れもあり、反対に軽く塗っただけでは、2、3ケ月後に木目が翼裏面などに浮びあがり、失望する事がありますから、この点は簡単な作業のようですが、各自経験を重ね、早くコツを会得されますように。
 尚、方向舵を可動式にした方は、同じように、別にサフェサーを塗って水ペーパー仕上を行いましよう。
 操縦席は、サフェーサー塗装の場合は取除いて置ましよう。
 以上、サフェサー塗装に関して詳細に解説しましたが、完全に凹凸部がなくなり、鏡のような表面に仕上りましたら第9図を御覧下さい。

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排気管の部

 本図に於ては、排気管及両翼部の機銃口に就いて説明しました。先ず機体エンジン部にデバイダーを用いて、左・右が不揃にならぬよう位置を決め、2mm位いの深さに彫りましょう。
 一方排気管の方は、小さな木片でナイフだけで削りますが、図を参照の上、2、3個の失敗は覚悟の上で作りましよう。何分小さいものなので、ナイフの先をよく研ぎ、そして指先を怪我せぬよう注意して下さい。
 この排気管は虫ピンを端に突刺し、反対を曲げて、黒ラッカーの中へ全体を入れて虫ピンに引つかけて乾し、3回くり返します。
 両翼には7.9mm銃が1挺宛ありますが、これには一寸した丸いカバーがありますので、パテーにて整形します。機銃は細手のニューム管を求め使用しますが、取付位置を前面から見た場合、中心線より上の方になりますので留意下さい(尚本図にラジェーターのフラップの取付を示してありますが、着色後接着しますので御注意下さい)。

着色塗装

 愈々着色するのですが、図面には上面が暗線色で下面がライトグレイと記してあります。
 然し、一ロに暗緑色と申しても、いざ縁のラッカーを前にして見ますと、どの程度の暗緑(黒味がかった緑)か迷いますが、実物の機体に於ても使用する目的方面に依り、塗装色も多少異ったと言われておりますから、皆さんの好みにより皮合を決められれば良いでしょう。
 市販されてますラッカーの緑にも明るい鮮緑色も、黒に近いような緑もあり、求められる折に注意されますように。
 手元にライト・グリーソしかない場合は、黒ラッカーを混ぜればOKです。下面のライト・グレーは、白ラッカーに極く小量の黒を加え使用します。上・下の境目は写真などを参考にする事です。
 主脚力バミーは機体上面と同色で、水平尾翼の支柱はライト・グレーを塗ります。プロペラは黒で、スピンナーは色んな配色がありますから、赤とか黄、又は2色に塗り分けても面白いと思います。
 さて、機体は上・下の境目に注意しながら、太い目の筆で数回塗り重ね、サフェーサーの場合と同じく、充分乾燥後水ペーパーで刷毛目を研ぎ去ります。
 このペーパーを使う折も、平均に色が塗られてあれば問題ありませんが、むらになっておりますと、下塗のサフェサーが顔を出したりしますので、あらゆる点で細かく気を配らなければなりません。
 色の禿た部分は色を塗り重ね、全体を平均に美しく塗りましよう。又この後にコンパウンドと言う研磨剤で研ぎますが、このコンパウンドには、細かな砂のようなものが混入されてあり、布につけて研ぎますと相当ラッカーの表面が禿ますので、この事も考慮して塗装します。


リべット打ち

 以上着色が終りましたら、毎回述ております筋目とリベットを打ちますが、この作業にラッカーが完全に乾いた後では目立ちませんので、 30 分位後に指紋を付けぬように注意を私いながら手早く行います。
 昔の航空雑誌には2、3解剖図がありますが、ジュラルミンの外板の継目を示す意味での筋目ですが、資料のない方は想像で印されても良いと思います。
 兎に角、あまり細かい所迄やりますと、何分1/50と言う小さな機体ですから、かえって鼻につき面白くありませんから、大きな継目だけにしましょう。
 リベットは先の丸い、細いキリで打ちますが、主翼の桁などにそって間隔を正しく穴をあけます。主翼の付根やエンジンカバー附近は、大きなリベットで間隔を大きくとる事も御注意申します。


コンパウンド研磨

 コンパウンドとはラッカー表面の研磨剤ですが、効能書に示してある如く、コンパウンドだけで研ぎましても鏡の表面の如く艶は出ないようで、かえって天候の良い日に塗装したラッカー表面の方が素暗しい艶があります。
 それでは、何故わざわざこの様なコンパウンドを用いるかと申しますと、吹付塗装では勿論このコンパウンドは必要ありませんが、刷毛塗装に於ては、最終回の塗装で付いた刷毛の目が僅かながらあります。この刷毛の目を消す為にコンパウンド研磨剤を用いるわけです。
 コンパウンドは塗料店で販売されてますが、1ポンド罐約250円前後です。これでは大過ぎて持て余しますから、2、3人で分残ると良いでしょう。
 さて、布片に少量付け平均に「応サツ!と磨き、きれいにコンパウンドを取去り別の布で一定方向に力を加えて磨きます。すると美しい艶のあったラッカー表面は消えますが、新に別の底光のする艶が出てまいります。
 この磨き方も皆さんも多分経験される事と思いますが、同じ時に、同じように磨きましても、左・右の翼の艶の出方が遣う時があります。一寸した点で異って来るのでしょうが、早くコンパウンドの性質を呑込たいと考へています。
 兎に角、色が禿て下塗が出て来ぬようこ細心の注意を払って下さい。充分磨きましてマークを記入するわけです。

マークの記入

 第10図を参照下さい。米国のマークよりも厄介に思われるマークですが、順を追って記入して下さい。

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 先ず、トレーシング・ペーパーに図面より写し取り、翼及胴体の位置を定め、(イ)の如く端々をキリの先で印します。
 次に(ロ)のようにラッカー・テープ(薬店にて紙製の伴瘡膏を求めると良い)で四角な桝目をつくり、外側の紙をナイフの先で軽くキズを付ける。
 そしてさらにキリの先で黒十字を印す(点線)位置を決め、リターダー・シンナーで溶かした白ラッカー(リクーダー・シンナーで溶すと乾燥が違いので都合が良い)で、斜線の部分だけ4ヶ所塗りつぶし、(ハ)のように白ラッカーが完全に乾いた後、烏口を用いて黒十字の外線を画き、(ニ)のように中を黒ラッカーで塗り潰します。
 最後に(ホ)の如く筆にて(烏口でも勿論良いのですが、馴れませんと黒十字との間隔や線の不揃が出来やすいので筆が無難です)外の囲を画き入れて終りです。
 このマークは、翼及胴体に計6カありますが、翼の上・下それぞれ大きさが異ります。根気良く美しく記入して下さい。
 垂直尾翼にある、逆卍もこれ以上に画きにくいのですが、今のマークを参考に記入して下さい。この他翼下面の端にアルファベットの文字が書れてあるのも写真で見ますので、マークだけで物足りぬようでしたら白で記入し、外側を黒の線で囲みます。

座席及び風防の取付

 順序から行きますと、ここで座席の取付を行います。先月の第7、8図を参照の上、指先をふるって工作して下さい。
 キャノピーは第11図を御覧下さい。木型(雄型のみ)は図のように作り、開閉の段もつけて置ますと、其の儘再生されますので、お試し下さい。

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 ビニール板は厚さ0.3mm位のものが、1/50程度のものでは丁度だと思います。ビニール板も質に依り非常に曇るものがありますので、良質のものを入手して下さい。
 毎回プレスの法は述べてますので今回は略しますが、機体と同色の枠を書き入れ、アンテナ柱は図のように取付けて下さい。アンテナ柱はブリキ板の厚いものを使用し、下からコの字形のビニールでぐら付くのを防ぎます。
 機体への取付は、風防内のゴミなどを充分掃除して、機関銃を忘れずに取付け、胴体にピッタリと隙間のないようにビニール用の接着剤で接着します。

 アンテナ線は最近テグス(釣糸)が非常に工合が良いと言う事を聞きましたので試用してみましたが、釣具店にて6毛と言うテグスを求め、第11図のように垂直尾翼に穴をあけ、テグスを差込み小さな木栓にビニール用接着剤を付けて乾かし、ピーンと張って柱で結びます。
 銅線などと異り弾力性があり好調です。尚、以上のアンテナ線は最後に張って下さい。

ユニコン磨き

 ここでユニコン液(楽器店で販売されてます)を、やわらかな布につけて機体全体を磨きます。この段階で行いませんとフラップや爆弾を取付けた後では不可能でせいぜい美しく磨きます。コソパウンドさえ上手く使われてますれば底光のする美しい艶豊色が出ます。

フラップ及びエアプレーキ

 ー方、機体の工作の傍、これから述べる隙間翼、エアブレーキ、爆弾を作ります。
 先ず、隙間翼と言われてます補助翼及フラップですが、ムズカシイ工作です。 初め木を削って作って見ましたが、何分薄い翼ですし、主翼と継ぐのに強度上も不安でしたので、これもブリキ板を使って見ましたが、ブリキ板を第12図に画きました通り、寸法に切った後、軽く丸味を付け、下面に半田を流し厚味を与えました。

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それをヤスリで仕上げ、それに主翼に挿込むブリキ片を、2ケ宛半田の中に埋み込ます。後は賢明なる読者にはお判りでしょうが、着色し図の如く取付けます。このJu-87はこの隙間翼を付けただけで、一皮に爆撃機らしい精悼味をおびます。
 全部で6コに分れてますが、丁寧に工作して下さい。エア・ブレーキの方は、最初3コのブリキ片を主翼に埋め込み、細長いブリキをエア・ブレーキとして、両端に丸味を付けて半田付し、中の穴はラッカーテープで黒く塗ってゴマ化しました。
 穴をあけるべく、紙や、ビニール板で作って見ましたが、色を塗ると曲って仕舞うので上手く行かず、以上の法を取ったわけですこ隙間翼、エア・ブレーキとも、サフエーサーなど塗る必要はありません。其の儘着色します。

爆弾の工作及取付

 次にアクセサリー?としての爆弾の工作です。
 この“スツッカー”の標準爆装は500kg×1、50kg×4となっております。第13図を御覧下さい。

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削り方は簡単ですが、後部の翼が、小型に於ては尚さら厄介ですが、ブリキ板を利用して取付けて下さい。
 先ず、翼を差込む藩をナイフで入れ、ラジオペシチで翼巾に切ったブリキを差込み、後でブリキ鋏で形を整えると、割に上手く出来ます。
 ブリキ鋏の使用が不得手な方は、写真の印画紙を用いられても良いでしょう。500kgの方には信管として虫ピンの頭を付け、色を黒か濃いネズミ色とします。

 取付は第 14図を参照下さい。50kg弾の方は画用紙の小片と虫ピンを利用して、エアー・ブレーキの外側15mm位置に並べて聴付け、 500kg弾は、急降中にプロペラー圏外へ投弾する為の支樺が2本、ラジェータの後より爆弾の中央部に至っておりますから御注意下さい。

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仕上げ

 エンジン右側の空気取入ロを、キャノピーの作り方で、ビニール板で作りビニール用接着剤で接着します。第9図に於て製作した排気管を接着します。500kg爆弾後部のアンテナ柱状のものを取付けます。尾輪の取付け。主翼付根後縁のステップを左・右2コ取付け。水平尾翼支柱の取付け。水平尾翼両端の補助鰭の取付け。アンテナを張ります。冷却機フラップの接着、着色。プロペラーの装備。
(完)

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出典

(株)文林堂 航空ファン 1957年2月号 P71~P73,P91

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