|
〔研 磨〕
さて、機体を磨くわけだが、機体に僅かな凹凸もないか、再びよく確めること。400~600番くらいの水ペーパーで、水をつけながら磨くのだが、機体を電燈の下ですかして見ると、ハッキリするがペーパーのかかった部分は、ラッカーの持つ艶は消えているが、ペーパーのかからぬ所は(つまり凹んだ部分が)光って見えるので、全体がなめらかに凹凸のなくなるまで、根気よくラッカーを塗っては、ペーパーをかける工程をくり返して、磨く下準備をする。 なお大事なことだが、これからもうしあげるそれぞれの研磨剤を用いると、僅かだがラッカーが禿るわけである。従ってその禿る塗料を見越す意味で、幾分ラッカーを厚日に塗らなければならない。 しかし甚しく塗装の厚いのは、実物感を著しくそこなう。そこの折合がムズカシく思うので、気を配って作業を進めてること。 それでは、最初の研磨剤としてコンパウンドを用意する(塗料店にあり、細かなミガキ砂の湿った味噌状のもの)。これを、布に少量つけて、全体を平均に磨く。 これは、水ペーパーの細かなキズ跡を消す意味で用いるので、上手く磨くと、これだけでも、充分美しく仕上る。 くれぐれも相当塗料が禿るから、一部分だけに力を入れて麿かぬように注意すること。そして別の布で、きれいに今のコンパウンドを取り去って、次の研磨剤を用いること。 この研磨剤は、私も最近知って用い始めたのだが、Autogloss(オートグロス)というものである。(ガソリンスタンドで求めたが、ドロリとした乳液状のもので、シリコンも混入されてあるらしく、自動車の車体を磨くものらしい)。 先のコンパウンドだけでも上手に磨くと充分艶は出るが、このオートグロスを用いると、厭になる程(?)光沢が出て、かえって玩具的に見え、実物感をそこねるという人もいる位である。
|
|
この薬もやわらかな布で磨く。これだと上手、下手なく充分に艶が出る。最後にユニコン(シリコン)液(楽器店などに有)で、最終仕上としてビロードのような布で、力を加えて磨くと終りである。 筋彫の個所につまった研磨剤は、水をつけた筆で洗い落す。
[プロペラ及びエンジン]
先ずプロペラは(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の順で削る(第9図)。これも木目の通った木片でプロペラの正面から見たラインを削る。 6翅分一緒にペーパーで仕上げ、厚さを定めて分割する。次に(ロ)のように、ペラの前縁にピッチを与え、それから(ハ)の図のごとく後縁を削る。 そしてプロペラ前面をサンド・ペーパーで磨き、その後、裏面を表面の縁にそって水平に削り、ペーパーで整形する。プロペラらしいものを作るまでには、相当の失敗は覚悟の通上で、満足のいくまで、作り直すこと。 次にスピンナーだが、(ホ)図は組立てた場合の図で、内部は(へ)図のようになっている。主にブリキ板で作るが、相手が何しろ小さい物なので、相当の苦心を要するものと思うが、この方法だと、よく回転するので、是非試されんことを願う。 スピンナーの先端の丸味は、ハンダをチョイチョイと重ねていくとうまく丸味がつく。出来上ったら、塗装(白か黄)した後、これも塗装の終ったプロペラをさし込んで完了である。エンジンは写真Ⅴを参考の上ヨロシク……。
|

|

|
〔降着装置〕
|
|
次は脚だが、機体以上に厄介なシロモノで、よほどハンダづけ技術のコツを覚えないと、やたらにハンダがゴタゴタと重なって、スッキリとしたものが出来上らない。車輪扉のスカートでかくれるものの、ていねいに作りたいものである。 タイヤは低圧タイヤーで、三輪とも機体に比較して、湊く大きいように見えるが、1/50だと、前輪が17mm、主輪が22mmとなる。 前輪の17mm は、市販では16mm と18mmとなっているので、中途半端で具合悪いのだが、16mmといって求めると、ちょうど17mm位なので都合がよろしい。 主輪の22mm の方は、20mmから25mmとスケールが一足飛びに大きいのしかないので、20mmを求めると21mm位なので、これでガマンして置く。 前脚は、第10図の左側に画いておいたが、タイヤは、ニュームのリムが三角に出張っているので、ヤスリで山を削り、脚柱への取りつけ法式は(イ)のごとく行う。外側からは、適当な紙にリムの部分を画いて貼りつける。 なお注意として、タイヤの回転部分はニコームであるから、塩酸とかペーストの類は、水でよく洗い落きぬと、後でせっかくの苦心も、それこそ水の泡になるから、御留意の程を。 散りつけは、虫ピンを横に機体深くさし込んで、それにハンダづけをする。それから前輪扉は簡単だが、主輪扉の方は、先の第8図(先月号参照)の(ハ)で作ったビニールを用いる。これは脚口の上に当てがい、ナイフの先でキズをつけ、切った後半分に分割、裏面に水平などニールを切って二重に貼りつけ、厚味を持たせる。
|

|

|
[マーク及び記号〕
脚類を取りつける前に、マークや文字の記入をする。 先ず、この機体には写真などを参照すると、主翼の下面には USAFの記号が記入されてあるが、上面には記入されてはいない。 私は、機体表面がチョット淋びしく感じたので、記入したのだが、そこの処は御随意に願うとする。記入方法は第11図に示したが、今までの筆による記入法より、はるかにスッキリと美しく仕上る。 ソリッド・モデルに於て、最も目立つものだから、少々ムズカシイかも知れないが、セイゼイ練習の上、応用されんことを……。
|

|
|
用意する材料は幅の広いセロファンテープで、幅が1インチのものを用いるが、高価だが2インチ幅のものも欲しい。1インチのテープを、横にチコット重ねて貼りつけても結構使用出来るが……。 それでは先ず USAFからだが、図の(イ)(ロ)(ハ)(ニ)の順に行う。 定位置にセロファンテープを翼表面にピッタリと貼りつける(この場合、翼表面が2、3 日以上乾いてから行わないと、テープの粘着力のために、シワができるから御注意)。空気がとじ込められていたら、穴でもあけて追い出す。 そしてゆがみのないように、文字の幅を普通の紙テープで上下を押え、白インキで文字の大きさや線の太さなどに留意の上、ていねいに書き、次に(ロ)のように、先の切れるナイフか剃刃で(イ)の緑の跡を切っていく。 この場合、テープさえ切れれば良いのだから、深く刃を入れる必要はない。そして次に(ハ)のように、計時の修理などに用いる先の細いピンクリしたピンセットで、文字の部分を取り除く。Aなどの真中の島(?)などは、そのままに置くように注意する。 次に(ニ)のように、赤ラッカーを、濃淡なく2回程度、タップリと塗れば、後は乾くのを待って、テープを取り去れば、 OK仕上りという次第である。 ただし、取り除く場合、文字の角張った部分は、角が落ち(はがれる)やすいので、(ロ)図の時に文字の角々に点線で示したようにテープを切る。 次にマークは(ホ)図のような具合に記入する。この場合、機体が黒だから、星だけですむが、他の機体の場合、青い丸の中に星を記入せねばならない。 その時には、最初に(へ)図のような格恰に切抜いて青を塗り、乾燥後、テープを取った後に(ホ)の工程を行うと、美しいものが出来上る。そして袖の部分に紙テープを上下に押えて赤を塗れは終りとなる。 最初は厄介に感じられるかもしれないが、馴れると筆で書くわずらわしさと、不出来な結果に不満を感じるより、この文字の記入方法は楽しささえ感じる。他の小さな文字も、大きいものから徐々に小文字へとトレーニングすればよいだろう。
[仕 上 げ]
以上で脚、脚扉、カウルフラップ、垂直尾翼前の方向探知器、外翼に投下タンク、尾砲などを取りつけると仕上りである。これ迄に作ってくれは、一つ一つ説明するまでもないと思う。美しい「RB-26」の誕生を祈りつつ……。 (終)
|
|
|
出典
(株)文林堂 航空ファン 1958年1月号 P106~P108